国の史跡に指定されている和田岡古墳群のひとつ「吉岡大塚古墳」の整備工事が6年がかりで完了し、いよいよ公開されました。
国史跡の本格的な古墳の整備は、静岡県内では初めてとのことです。
古墳時代中期(5世紀前後)に築かれた和田岡古墳群は、掛川市の北西部を流れる原野谷川が形成した河岸段丘上に位置しています。
南北約2.5㎞、東西約1㎞の範囲の中に、春林院古墳、瓢塚古墳、行人塚古墳、各和金塚古墳などの古墳があり、この地域を治めた首長の墓とされています。
中でも吉岡大塚古墳は、前方後円墳の形が良好に残り、県道からの見通しもよく、古墳群のランドマーク的存在です。
全長54.6m、後円部直径41.3m、高さ7mで、後円部の大きさに比べ前方部が短く帆立貝のような形が特徴。
古墳の南側の一部分には葺石や埴輪を設置して古墳築造時の姿を復元。
葺石は和田岡小学校、原谷小学校の児童が原野谷川で採取・運搬した石を用い、復元埴輪の製作と野焼きを有志が行うなど、多くの市民が古墳整備に参加しました。
それ以外の南側部分は形状のみを復元し、北側部分は保護のための盛土・植栽を行い、現在の形状のまま保存しています。
墳丘の北側と南側を比較して見学することで、古墳築造時から現代に至る時間の経過を感じることができるよう工夫されています。
敷地内には、無料駐車場、あずま屋(案内パンフレット設置)、トイレも設置されていますので、ぜひ見学に出かけて太古のロマンを感じてみてください❣
◆国史跡和田岡古墳群 吉岡大塚古墳
所在地:静岡県掛川市高田(サカタのタネ圃場近く)
問合せ先:掛川市文化・スポーツ振興課 (電話0537-21-1158)
※12月現在、掛川山梨線の吉岡公民館付近が一部通行止めとなっているため、「富部」の踏切から西進後、県道271号線では右折せず、直進して道なりに右にカーブ。掛川山梨線にぶつかったら一旦左折して河原崎住建さんの手前の角を右折。(サカタのタネ正門まで行ったら行きすぎです)
※天竜浜名湖鉄道の場合、細谷駅から徒歩30分ほど。ルート案内表示がないので事前に下調べが必要です。
古墳の頂上から台形のホタテ貝の蝶番(?)側を見下ろしたところ。(左半分が復元された部分)
古墳周辺には吉岡原とよばれる広大な茶畑風景が広がります。